松本大学について

科学研究費補助金

科学研究費補助金に採択されている本学教員の研究

社協ワーカーの専門職自己評価指標の構築 ―地域福祉をより推進していくために―

期間
平成23~24年
所属
総合経営学部観光ホスピタリティ学科 佐藤哲郎専任講師
応募先
日本学術振興会
概要
私たちの生活基盤である "地域"には、さまざまな人々が生活しています。そのなかには認知症高齢者や障害者といった弱者や、貧困やホームレスなど生活していく上で生きづらさを抱えた人(当事者)も存在します。社会福祉法で明文化されている"誰もが安心して生活できる地域"つくり、いわゆる「地域福祉」を推進していくためには、専門職である社会福祉協議会ソーシャルワーカー(以下、「社協ワーカー」)の働きが欠かせません。しかし、社協ワーカーの仕事実践はしばしば職人芸的と揶揄され、必ずしも日々の実践が適切に蓄積されて、共有化されてきたわけではありません。このため熟練した社協ワーカーが退職したり異動したあと、地域福祉の実践が停滞することも実際に起こっています。
そこで、熟練した社協ワーカーへのインタビュー調査や実践記録などを質的に分析して、①地域福祉推進のための実践プロセスを構造化する、②必要とされる価値や方法を明らかにする、という2点を行います。これらの分析結果に基づき、社協ワーカーのための適切な評価指標を提示し、社協ワーカー自身が日々の活動を自ら評価できるような基盤を構築することがこの研究の目的です。 この研究の成果が社協ワーカーにとって、また地域福祉の推進のために寄与することを願っています。

情報の非対称性のあるサプライチェーン・コーディネーションに関する研究

期間
平成22年~24年
所属
総合経営学部総合経営学科 田中正敏准教授
応募先
日本学術振興会
概要
地球上の資源は、原材料、中間製品、最終製品と名前を変えながら沢山の工場や会社を経て私たちの手元まで来ます。この流れにつながっているいろいろな工場や会社の集まりをサプライチェーンといいます。限られた資源を有効に使って多くの人々が幸せになるためには、流れの途中にある工場や会社が協力しあってサプライチェーン全体を上手に運営することが大切です。しかしながら、サプライチェーンの途中にある工場や会社は、当然、自分たちが利益を得ることを一番の目的としています。このためそれぞれの会社や工場の行動が、サプライチェーン全体としてみたときに好ましい行動ではないこともあるでしょう。すべての工場や会社が利益を上げながら、資源の流れ全体がうまく流れるような協力のしかたを考えるのがサプライチェーン・コーディネーションの目的です。サプライチェーンでつながる工場や会社の間には当然取引があります。取引に参加する工場や会社全員がお互いのことすべてを知っているとは限りません。知っていることと知らないことが取引関係者の間にあることを、情報の非対称がおこっているといいます。この研究では、情報が非対称性な製造業者と小売店からなるサプライチェーンで、ある製品を扱っている小売店の数が非常に少ないときにおこる取引の様子を明らかにすることです。

マウス走運動がmicroRNA発現に及ぼす影響

期間
平成22年~23年
所属
松商短期大学部商学科 川島 均准教授
応募先
文部科学省
概要
最近の脳ブームで、運動習慣が神経細胞を増やすということを知っている人もいるかもしれない。脳の中で神経細胞が増える場所はごく限られた場所で、それは認知や記憶などの機能を担っている「海馬」という領域である。実際、実験動物や人間が運動習慣をもつことによって認知・記憶機能が高まることも報告されている。
しかし、どのようにしてこの影響がもたらされるのかは具体的にはよく分かっていない。本研究では遺伝子の中でもごく短いmicroRNAと呼ばれる物質に注目する。これは10年ほど前までは遺伝子のただの切れハシと思われていたものであるが、今では遺伝子からタンパク質を作りはじめる際の“スイッチ”のような役割をする重要なものと考えられている。数百もの種類が存在するmicroRNAには神経細胞が増えるのに関係するものもある。したがって、運動によって神経細胞が増えるときの一つのメカニズムとしてmicroRNAが働いていることは十分考えられる。しかしながら、現在までのところ運動習慣と microRNAの結びつきに関しては全く分かっていない。この点を明らかにするのが本研究の目的である。

ホルモン依存性癌発生に関わるDNA損傷に対するメトキシフラボノイドの予防効果

期間
平成22年~23年
所属
人間健康学部健康栄養学科 竹村ひとみ助手
応募先
文部科学省
概要
乳がんは、従来欧米に多いとされてきましたが、日本でも年々増加傾向にあります。女性ホルモンのひとつエストロゲンは、乳がんの発生・増殖に深く関与していることが知られています。エストロゲンは解毒代謝酵素により代謝活性化されると、DNAに損傷を引き起こして細胞の突然変異をもたらすことから、がんの原因物質のひとつといわれています。さらに、エストロゲンは乳房の細胞分裂を促進する作用を持つホルモンなので、乳がん細胞もエストロゲンによって細胞分裂を繰り返し増殖していきます。最近、私達の研究グループは、野菜・果物などの植物性食品成分中にあるフラボノイド化合物に、この解毒代謝を調節する働きがあることを明らかにしました。そこで、乳癌発生に対する化学予防の視点から、フラボノイド化合物がエストロゲンの引き起こすDNA損傷を抑制する効果について研究を行っています。

ケーススタディ教材による会計教育の効果について

期間
平成21年~24年
所属
総合経営学部総合経営学科 田中 浩教授
応募先
日本学術振興会
概要
この研究は、「ケーススタディというは、どのようなものであるべきか?」これを検討することから始まり、これに終わる、そんな研究です。ケーススタディを簡単に言えば、事例研究、つまり実際にあったことを研究したものです。事例の代表は、判例(裁判の判決)です。「○○事件は、どういう動機で起きて、どういう経過だったか、判決は懲役○年であった」ということが、とても詳細に書かれています。この判例を大量に研究することで、「こういう犯罪には、これくらいの罰が下る」という公式ができるわけです。経営の分野では、「A株式会社では、どうやって原価を下げたのか?」とか、「B社とC者の合併はなぜ失敗したのか?」など実際の企業の成功例・失敗例を追跡してまとめたものがケースとなります。このケースを大量に積み上げ、そこから「経営ってこうやればいのだ」という公式(法則)を見つけ出そうとするのです。理論研究が演繹的な研究であるのに対して、沢山の実例から一定不変な法則を導きだそういう帰納的な研究です。
このケーススタディを学者が研究に使うだけでなく、ケーススタディを教材として、学生が勉強する時に使えるのです。その際の、より良い学習効果を得るためには、どのようなケーススタディ教材がいいのでしょうか。また教える教師側はどのような指導をしていけばよいのでしょうか?特にわが国の教育の状況にあった方法はないでしょうか?この点を明らかにするのが、この研究です。 何か新しい物質を発見する、人類の謎が解けるといった研究ではないので、エキサイティングな新発見はありません。ですが、この研究によって、より効率的に会計を学ぶための方法が見つかるかもしれません。

高炭水化物食誘導性転写因子の包括的研究

期間
平成21年~23年
所属
人間健康学部健康栄養学科 山田一哉教授
応募先
日本学術振興会
概要
私たちは毎日食事をしています。食物中には多くの成分が含まれていて、これらが消化・吸収されて体内に取り込まれます。炭水化物の場合、おもにブドウ糖となって吸収されます。ブドウ糖は血液の中を運ばれて、すべての細胞のエネルギー源となります(血糖といいます)。血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されて、筋肉・脂肪細胞・肝臓などにブドウ糖が取り込まれて様々な物質に変換されます。このとき、インスリンがうまく働かないと血糖値の高い状態となり、それが続くと糖尿病という病気になります。
また、カエルの子はカエルといわれますが、ヒトの子はヒトですよね。私たちヒトの細胞の中には、ヒトの設計図というべき遺伝子が含まれています。 私の研究は、遺伝子のスイッチをオフにするはたらきをもつ転写抑制因子とよばれるタンパク質を指標にして、インスリンが働くしくみを調べたり、インスリンの代わりをする食品成分を探すことです。この研究が進むと、肥満や糖尿病の予防に役立つと期待しています。

■山田教授の研究室サイトhttp://www.matsu.ac.jp/matsumoto_u/teacher_hp/yamada/index.html

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